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「森友学園問題」は、まだ何も解決していない// 東洋経済より転載

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「「森友学園問題」は、まだ何も解決していない 土地取引に政治家の関与はあったのか | 国内政治 - 東洋経済オンライン」をはてなブックマークに追加

2月23日に記者会見を行った民進党議員(写真:AP/アフロ)

 

大阪府豊中市に設立予定の「瑞穂の國記念小學院」をめぐる疑惑が広がりを見せている。

2月23日午後5時、同小学校を運営する森友学園問題に関する民進党の国対ヒアリングが開かれた。その開始直前にある記者が「安倍昭恵夫人の挨拶が瑞穂の國記念小學院のホームページから消えている」と驚いていた。

筆者は早速、手元のタブレット端末で確認してみた。すると、確かに「ごあいさつ」のページには、名誉校長だった昭恵夫人の挨拶文が写真とともに消されていた。

森友学園とは絶縁したのか

一時的な削除なのか、それとも名誉校長を辞任して森友学園とは絶縁したのか。翌24日の衆院予算委員会安倍晋三首相は民進党福島伸享衆院議員の質問に対し、昭恵夫人が名誉校長を辞任した経緯を説明した。

「講演の前に名誉校長就任を依頼されたが、妻はそれを断った。しかし(講演の時に)突然、籠池(泰典森友学園理事長)さんから(名誉校長就任を)紹介され、(保護者から)拍手をされたので断れなかった。その後に『やはり引き受けられない』と何度も言ったが、『父兄の前で紹介したのだから』と押し返され、就任することになってしまった」

「改めて『安倍晋三小学校』についてお断りした。しかし(森友学園から)何度も依頼が来た。秘書が『何度も断っているではないか。にもかかわらず寄付金集めに(安倍晋三の)名前を使われたことは遺憾だ』と抗議すると、『1日2日しか使っていない』と言い訳がされた。最終的には謝罪があり、ホームページから妻の名前が削除された」

ようやくこのままではまずいという現実に気付いたということになるが、この問題は昭恵夫人の名誉校長辞任だけでは終わる様子はない。

 

「異常で奇怪な取引であり、政治家の関与なしにこういうことは起こりえない」。23日の記者会見で日本共産党志位和夫委員長はこう述べて、政治家による口利き疑惑をほのめかした。

それを受けたように、翌24日の衆院予算委員会では同党の宮本岳志衆院議員が「2015年9月4日午前10時から12時まで、近畿財務局9階の会議室近畿財務局は森友学園側と売買・価格交渉をしたのではないか」と財務省を問い詰めている。

この日の前日午後2時17分から27分まで、財務省の迫田英典理財局長(現国税庁長官)が岡本薫明官房長と共に官邸に入っている。迫田氏は安倍首相の地元・下関市の出身だ。そして安倍首相は4日午後、テレビ出演のために大阪入りしている。

否定できない安倍首相の関与

その名目は、当時審議の真っ最中だった安保法制で「国民の理解を得るため」だったが、いかにも珍妙といえた。実際に鴻池祥肇参院平和安全法制特別委員会委員長は同日に開かれた理事懇で、「一国の首相としていかがなものか」と不快感を示している。

このように森友学園問題に関しては、9月3日に国有地売買を管轄する理財局長が安倍首相と面会し、翌4日午前には近畿財務局が瑞穂の國記念小學院の建設会社と会合を開き、午後には安倍首相が大阪入りするという一連の流れが見てとれる。ちなみに昭恵夫人が名誉校長に就任したのは、その翌日の9月5日のことだ

果たしてこれは何を意味するのか。鍵を握るのは迫田氏と見て、民進党は2月24日の予算委員会理事会で参考人招致するように求めたが、与党が反対したためにいまだ果たされていない。「与党が反対しているというよりも、財務省が反対しているようだ」。民進党の福島衆院議員が訝る。

確かに24日の衆院予算委員会では、現理財局長による「迫田隠し」の所業も見られた。福島議員は次のように攻め立てた。 

「これは怪しい。言い訳を作ってどうやったら安くできるかという、森友学園の側に立ってどんどん国民の財産である国有地を安くしていっている。私は今回のこれらのスキームは森友学園だけじゃできないと思っている。この間に入っている不動産のコンサルタントや弁護士などにはできないことだ」

「針の穴を通すように、それぞれの制度の例外をうまく活用して、この事業を進めている。これは役人じゃなきゃできないことだ。この交渉、鑑定をやった時の理財局長は誰なのか

鋭く続く福島議員の質問に対して、佐川宣寿理財局長はひるんで見せた。そして部下と相談してからしどろもどろになり、再度引き下がってから「私の前々任者は中原(広前国税庁長官)と慌てふためいた様子で答えている。

だが福島議員が求めていたのは前局長の名前で、現局長が前局長の名前をすぐに思い出せないことなどありえない。しかも迫田氏はこの日に参考人招致に呼ばれていた当人なのだ。

なぜ木造の校舎なのか

その他の出来事がタイミングが合いすぎることも、疑念の一因になっている。たとえば国土交通省サステイナブル建築物等先導事業(木造先導型)だ。森友学園の「防火地域に新築される小学校の校舎及び体育館の木質化についてのプロジェクト」が採択されたのが2015年9月4日。これにより森友学園6200万円の補助金を受け取った。「一連の出来事がこの時期にまとまりすぎている」と福島氏は述べる。

国会関係者も不思議がる。建設問題に詳しい与党のある秘書は、「大型木造建築はなかなか数が少ないので、応募数は少ない。誰が教えたのか知らないが、うまいやり方だと思う」と述べた。ちなみに応募は7件で、採択されたのは6件。応募者にとっては非常に美味しい制度に違いない。

「真相を明らかにするためには、迫田氏に国会で話してもらうことが必要だ。月曜日の予算委員会でも行き続き、参考人としての出頭を求めていく」。福島氏は意気込むが、底の見えないこの問題。どこまで掘れば疑惑は尽きるのか。