増田寛也元総務大臣の推薦母体の政治資金問題・・・落選運動を支援する会より
~ 3年間で使途不明金7512万円の疑い ~
はじめに
東 京都知事選に自民党本部、自民党東京都支部連合会の推薦を受け、増田寛也元総務大臣が立候補することになった。増田氏は、政治資金の管轄である総務大臣を 務めた経験もあるし、舛添要一・前都知事の政治資金問題についても批判的な意見を公言し、辞職に追い込んだ一人であるから、推薦母体の政治資金くらい自分 なりに調べ、それをわかったうえで推薦願を提出していると思われます。増田氏の推薦母体の政治資金問題について指摘します。
自民党本部と自民党東京都支部連合会の推薦を受け、都知事選への立候補を表明した増田寛也元総務大臣の推薦母体の政治資金問題について指摘します。
今回指摘問題は、自由民主党東京都支部連合会が都議会の会派「東京都議会自由民主党」に「組織対策費」名目で寄付しており、それが全額使途不明金になっているという疑いです。
2012年分自民党東京都支部連合会の寄附明細
支出の目的 金額 年月日 支出を受けた者の名称 支出を受けた者所在地 組織対策費 5,700,000 1月17日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 5,600,000 4月9日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 5,500,000 7月13日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 5,550,000 10月19日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 400,000 12月20日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 合計 22,750,000
2013年分自民党東京都支部連合会の寄附明細
支出の目的 金額 年月日 支出を受けた者の名称 支出を受けた者所在地 組織対策費 6,700,000 1月10日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 6,000,000 4月19日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 5,900,000 7月25日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 100,000 8月3日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 7,850,000 10月10日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 1,100,000 12月13日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 合計 27,650,000
2014年分自民党東京都支部連合会の寄附明細
支出の目的 金額 支出を受けた者の名称 支出を受けた者所在地 組織対策費 8,850,000 1月15日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 8,850,000 4月15日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 3,540,000 7月31日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 組織対策費 3,480,000 10月10日 東京都議会自由民主党 新宿区西新宿2-8-1 合計 24,720,000 上記記載の所在地は、「東京都議会自由民主党」のホームページに明記されている所在地と一致します。
以上の通り会派「東京都議会自由民主党」は合計7512万円を受取っています。しかし「東京都議会自由民主党」は、政治団体でないので政治資金収支報告書を作成・提出してはいません。同会派が3年間で受領した計7512万円の組織対策費の内容は不明であります。会派の議員に配ったのか、受取った議員ららはそのカネをどう使ったのかも全くわからないのです。政治とカネで二代続いて東京都の知事が辞職したのに、会派「東京都議会自由民主党」の議員達は増田候補を支援する前にこのカネはどこに消えたのか明らかにする責任があります。
ダーテイーな議員達に支援される増田寛也氏もこの問題を都民にキチント説明責任があると思います。
2012年分から2014年分の政治資金収支報告書です。
(注2) 会派「東京都議会自由民主党」と政治団体である自民党支部である「都議会自由民主党」とは異なります。
「都議会自由民主党」は、東京都選挙管理員会に政治団体(政支部党)の届け出をしており、政治資金収支報告書を毎年、同選挙管理委員会に提出しています。「東京都議会自由民主党」は、これとは別で、東京都議会の会派です。ちなみに、「都議会自由民主党」の2012年分から2014年分までの政治資金収支報告書は、以下です。
自民党東京都支部連合会は、政治団体(政党支部)である「都議会自由民主党」に寄付をしています。
2012年 計1850万円
2013年 計1960万円
2014年 計2585万円
その内訳は以下です(所在地に注目してください)。
支出の目的 金額 年月日 支出を受けた者の名称 支出を受けた者の所在地 寄附 7,400,000 2012年6月18日 都議会自由民主党 立川市砂川町5-11-2 寄附 11,100,000 2012年11月28日 都議会自由民主党 東久留米市郡川台2-37-7 寄附 7,800,000 2013年4月23日 都議会自民党 東久留米市氷川台2-37-7 寄附 11,800,000 2013年12月10日 都議会自民党 町田市成瀬台3-25-23 寄附 11,600,000 2014年7月10日 都議会自由民主党 町田市成瀬台3-25-23 寄附 14,250,000 2014年12月15日 都議会自由民主党 渋谷区東1-23-9
「都議会自由民主党」も、以上を受領した旨、その政治資金収支報告書に記載していますのでこの寄附金の使途は収支報告書に記載されています。
~自民党東京都支部連合会の不記載罪の疑い ~
1 増田氏を推薦する中心的議員で自民党東京都支部連合会所属の国会議員らの政治資金規正法違反の疑い
(1) 自民党東京都支部連合会(都支部連)に所属する国会議員でその推薦の中心人物である荻生田光一官房副長官については政治資金規正法の疑いについて東京地検に告発しました。
◇萩生田光一官房副長官(東京24区)を次期衆議院選挙における落選対象議員第3号として告発しました
(萩生田光一官房副長官(東京24区)を次期衆議院選挙における落選対象議員第3号として告発しました)
(2) 「都支部連」(会長・石原伸晃経済再生担当大臣)の政治資金規正法違反の疑い
①「闇ガネ」100万円の収支(2014年)
「自由民主党江東総支部」(以下「江東総支部」という。代表・堀川幸志)の2014年分政治資金収支報告書の支出欄には、
「自由民主党東京都支部連合会」(以下「都支部連」という。)に対し「東京政経フォーラム会費」として2014年11月10日に100万円を支出した旨記載されています。
(http://www.senkyo.metro.tokyo.jp/uploads/jimin20151119-jimin515.pdf)
他方、「都支部連」の2014年分政治資金収支報告書には、「江東総支部」からの100万円の受領についての記載はありません。
「江東総支部」の報告書通りであれば、「都支部連」は、前記100万円を「闇ガネ」として受領するとともに、それを収入に記載していない以上、100万円を「闇ガネ」として支出したことになります。
これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。
②「出所不明」の計44万3750円の収支(2014年)
(ア)「自由民主党東京都参議院比例区第62支部」(以下、「都参議院比例区第62支部」という。代表・佐藤正久)の2014年分政治資金収支報告書には、
「都支部連」から
◇2014年3月28日に7800円、
◇5月7日に1万400円、
◇5月29日に4550円、
◇6月3日に1万4950円、
◇7月3日に4万7450円、
◇8月4日に1万8850円、
◇9月2日に8450円、
◇10月1日に1300円、
合計11万3750円の寄附を受領した旨、記載されています。2014自民党東京都参議院比例区第62支部の政治資金収支報告書
(イ)「自由民主党東京都第11選挙区支部」(「都第11選挙区支部」という。代表・下村博文)の2014年分政治資金収支報告書の収入欄には、
「都支部連」から
◇2014年2月13日18万円、
◇3月19日23万2997円、
◇12月2日30万円、
◇12月3日3万円、同日3万円、
◇12月7日30万円の交付金(寄附)を受領した旨、記載されています。(下村博文_2014自民党東京都第11選挙区支部)
(ウ)一方、「都支部連」の2014年分政治資金収支報告書には、
「都参議院比例区第62支部」への「寄附」についての記載は一切ありません
(エ)また、「都第11選挙区支部」への交付金(寄附)については、
◇2014年2月13日18万円、
◇3月19日23万2997円、
◇12月2日30万円、12月3日3万円は記載があるものの、
◇12月3日3万円、
◇12月7日30万円については記載がありません。
(オ)「都参議院比例区第62支部」の報告書および「都第11選挙区支部」の報告書通りであれば、「都支部連」は、
「都参議院比例区第62支部」に「寄附」した計11万3750円と、「都第11選挙区支部」に「寄附」した計33万円を記載しなかっただけではなく、それを支出に含めて記載していない以上、その分の収入についても一切記載してはいないことになります。
つまり、合計44万3750円は、その供与者を公表できない、言わば「出所不明」の「闇ガネ」であったとしか考えられません。
これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。
③「出所不明」の計68万9150円の収支(2012年)
(ア)「都参議院比例区第62支部」(代表・佐藤正久)の2012年分政治資金収支報告書の収入欄には、
「都支部連」から
◇2012年8月27日に3900円、
◇8月31日に4万1600円、
◇10月31日に9100円、
◇12月10日に4550円、
◇計5万9150円の寄附を受領した旨、記載されています。(http://rakusen-sien.com/wp-content/uploads/2016/03/佐藤正久_2012自民党東京都参議院比例区第62支部.pdf)
(イ)「自由民主党東京都第16選挙区支部」(以下「都第16選挙区支部」という。代表・大西英男)の2012年分政治資金収支報告書の収入欄には、
「都支部連」から
◇2012年10月15日3万円、
◇11月21日30万円、
◇12月4日30万円の「交付金」をそれぞれ受領した旨、記載されています。(http://rakusen-sien.com/wp-content/uploads/2016/03/大西英男_2012自民党東京都第16選挙区支部.pdf)
(エ)「自由民主党東京都第11選挙区支部」(「都第11選挙区支部」という。代表・下村博文)の2014年分政治資金収支報告書の収入欄には、
「都支部連」から
◇2012年11月22日30万円、
◇12月4日に30万円、
◇12月4日に3万円の交付金(寄附)を受領した旨、記載されています。(http://rakusen-sien.com/wp-content/uploads/2016/03/下村博文_2012自民党東京都第11選挙区支部.pdf)。
(オ)一方、「都支部連」の2012年分政治資金収支報告書には、
「都参議院比例区第62支部」への支出についての記載は一切ありませんし、
また、「都第16選挙区支部」への支出については、2012年12月4日30万円(組織活動費)の記載はあるものの10月15日3万円、11月21日30万円の記載はありません。さらに、「都第11選挙区支部」への交付金については2012年12月4日30万円、12月4日3万円は記載があるものの11月22日30万円については記載がなされてはいません。
(http://rakusen-sien.com/wp-content/uploads/2016/04/2012自民党東京都支部連合会.pdf)。
(カ)「都参議院比例区第62支部」の報告書、「都第16選挙区支部」の報告書および「都第11選挙区支部」の報告書通りであれば、
◇「県支部連」は、「都参議院比例区第62支部」への計5万9150円、
◇「都第16選挙区支部」への計33万円、
◇「都第11選挙区支部」への30万円を記載しなかっただけではなく、それらを支出に含めて記載していない以上、それらの分の収入についても一切記載してはいないことになります。
つまり、計68万9150円(計5万9150円および計33万円および30万円)は、その供与者の氏名・住所などを公表できない、言わば「出所不明」の「闇ガネ」であったとしか考えられません。
これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。
④「出所不明」の計35万700円の収支(2013年)
(ア)「自由民主党東京都第10選挙区支部」(以下「都第10選挙区支部」という。代表・小池百合子)の2013年分政治資金収支報告書の収入欄には、
「都支部連」から交付金として2013年4月26日に30万円の寄附を受領した旨、記載されています。
(http://rakusen-sien.com/wp-content/uploads/2016/03/小池百合子_2013自民党東京都第10選挙区支部.pdf)
(イ)「自由民主党東京都参議院比例区第42支部」(以下「都参議院比例区第42支部」という。代表・宇都隆史)の2013年分政治資金収支報告書の収入欄には、
「都支部連」から交付金として2013年1月31日に5850円、2月18日に1300円、6月13日に5200円、7月1日に3900円、9月6日に1万5600円、11月1日に1300円、12月25日に1万7550円、計5万700円の寄附・交付金を受領した旨、記載されています。(http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/contents/141128/0030400018.pdf)
(ウ)一方、「都支部連」の2013年分政治資金収支報告書には、
「都第10選挙区支部」への30万円の支出」についての記載も、「都参議院比例区第42支部」への計5万700円の支出についての記載も、一切されてはいません。
(http://rakusen-sien.com/wp-content/uploads/2016/04/2013自民党東京都支部連合会.pdf)
(エ)「都第10選挙区支部」の報告書および「都参議院比例区第42支部」の報告書通りであれば、
「県支部連」は、「都第10選挙区支部」に交付金として寄附した30万円、および「都参議院比例区第42支部」に交付金として寄附した計5万700円を記載しなかっただけではなく、それを支出に含めて記載していない以上、その分の収入についても一切記載してはいないことになります。
つまり、合計35万700円は、その供与者を公表できない、言わば「出所不明」の「闇ガネ」であったとしか考えられません。
これは、政治資金規正法の不記載罪に違反したのではないかとの疑いがあります(第25条第1項第2号)。
2 増田氏推薦の団体の収支報告書には金額が小さいですが、上記のような不透明な寄附があります。増田氏はこれらについてどう説明するのでしょうか。
~「おみやげ代」1186万円余の不必要な支出 ~
自民党本部と自民党東京都支部連合会の推薦を受け、都知事選への立候補を表明した増田寛也元総務大臣の推薦母体の政治資金問題について、これまで2回指摘しました。
今回指摘する問題は、自由民主党東京都支部連合会が開催した2013年と2014年の政治資金パーティで参加者に「おみやげ」が供与されているようで、「おみやげ代」の支出が計1186万円余もあったという問題です。
2013年および2014年の政治資金パーティでの「おみやげ代」
支出の目的 金額 年月日 支出を受けた者の名称 支出を受けた者の所在地 おみやげ代 5,040,000 25.3.25 ㈱坂本乙造商店 千代田区東神田 おみやげ代 6,826,460 26.12.18 田中無線(株) 千代田区外神田 11,866,460 ここで留意していただきたいのは、2010年から2012年までの政治資金パーティでは、「おみやげ代」の支出がないということです。
その理由を推測すると、自民党は2009年総選挙で敗北し、政党交付金(税金)が減額され政治資金も減少したが、2012年12月総選挙で勝利し、2013年から政党交付金が増額され政治資金も増加したため(下記参照)、2013年と2014年の政治資金パーティで「おみやげ代」を支出する財政的余裕が出たからではないか、と思われます。
自民党東京都支部連合会の本年収入、そのうちの自民党本部からの交付金など
年 本年収入 本年収入のうち
おみやげ代
(支出)
2010年 437,132,176 220,185,929 0 2011年 492,336,065 198,330,000 0 2012年 314,829,614 114,062,465 0 2013年 638,750,303 295,705,000 5,040,000 2014年 690,695,677 352,110,000 6,826,460
2010年から2012年までは、政治資金パーティで「おみやげ代」の支出がないので、政治資金パーティで「おみやげ」を供与することが当然のことであるわけではないことがわかります。
それゆえ、2013年と2014年に政治資金パーティで「おみやげ」を供与したのは、政党交付金の増額で政治資金に余裕が出たからで、言い換えれば、政党交付金という税金で「おみやげ代」が支払われたに等しいのです。その意味で税金の不必要な支出です。
税金の不必要な支出をしている自民党東京都支部連合会に支援される増田寛也氏もこの問題を都民にキチント説明責任があると思います。
2010年分から2014年分の政治資金収支報告書です。